先日購入したニコンの一眼レフカメラ「Nikon Df」、Foveon信者としては描写力が気になったので検証してみることにしました。本記事では比較対象としてシグマの一眼レフカメラ「SIGMA SD1 Merrill」を使って、同時刻・同場所にて撮影しています。
Nikon Df + SIGMA 50mm f1.4 DG HSM Art (4928 x 3280px) |
SIGMA SD1 Merrill + SIGMA 35mm f1.4 DG HSM Art (4704 x 3136px) |
前提としてそれぞれのカメラのイメージセンサーのおさらいしましょう。
- Nikon Dfのイメージセンサー
- 1625万画素
- ベイヤー(バイヤー?)方式のフルサイズのイメージセンサー
- かつてのフラッグシップ機Nikon D4と同じもの
- D4は2012年1月発売のモデル
- SIGMA SD1 Merrillのイメージセンサー
- Foveonダイレクトイメージセンサー
- RGB3層式
- 1層あたり1600万画素のため、センサーには合計4800万画素存在
- APS-Cサイズ
- 2011年6月に登場 ※SD1 無印に搭載
つまり、今回比較するイメージセンサーはどちらも3〜4年前に登場していたものになります。
両方とも最高峰のレンズSIGMAのArtラインを装着。レンズの焦点距離は異なりますが、SIGMA SD1 MerrillはAPS-Cのイメージセンサーなので35mmのレンズは、フルサイズ換算するとNikon Dfに装着した50mmに近い画角となります。またどちらも約1600万画素の写真となるため、純粋なイメージセンサーの比較ができそうです。
どちらもピクチャーコントロール(カラーモード)は標準の「スタンダード」で撮影しています。一見すると色のノリはNikon Dfのほうがおとなしいのがわかります。
中央部の画質を比較
写真の解像力を確認するために、等倍サイズの640×480pxでトリミングしてみました。
Nikon Df + SIGMA 50mm f1.4 DG HSM Art |
SIGMA SD1 Merrill + SIGMA 35mm f1.4 DG HSM Art |
対してSD1 MerrillはCGのようにカリッと記録されています。窓の中のカーテンの起伏までわかるほど、素晴らしい解像力です。シャープネスも強くなく自然です。
高周波成分の多い被写体の比較
Nikon Df + SIGMA 50mm f1.4 DG HSM Art |
SIGMA SD1 Merrill + SIGMA 35mm f1.4 DG HSM Art |
大崎にあるSONYのビル。線が入り組んでいるので解像力を調べるのに最適な建物です(笑) Nikon Dfではシャープネスの処理が強すぎて無理のある描写になっていますが、SD1 Merrillではナチュラルに解像しています。
ハイライト部の描写の比較
Nikon Df + SIGMA 50mm f1.4 DG HSM Art |
Nikon Dfではハイライト部分の階調が残っています(白い建物のフェンスの部分に注目ください)。フルサイズセンサーの余裕でしょうか。
SIGMA SD1 Merrill + SIGMA 35mm f1.4 DG HSM Art |
SD1 MerrillではNikon Dfと比べるとハイライトの粘りが弱いように見受けられます。SD1 MerrillのイメージセンサーのサイズがAPS-Cでフルサイズより小さいため、画素レベルのダイナミックレンジは若干不利なのかもしれません。
偽色の発生有無
規則正しい模様が並ぶ部分は偽色の発生しやすい箇所です。建物のシマシマ部分で両カメラの偽色の発生有無を調べてみました。
Nikon Df + SIGMA 50mm f1.4 DG HSM Art |
SIGMA SD1 Merrill + SIGMA 35mm f1.4 DG HSM Art |
対してSIGMAのカメラでは偽色は全く発生していません。ローパスフィルターを不要とするFoveonセンサーの利点でしょう。
まとめ
- 解像力だとNikon DfよりSIGMA SD1 Merrillのほうが有利
- SD1 Merrillが良すぎるだけかも?
- 快晴の撮影条件がSD1 Merrillに有利だったことも確か
- ダイナミックレンジはフルサイズのNikon Dfのほうが有利
- Nikon Dfはベイヤー方式のため偽色が発生
次回は別の尺度からNikon Dfを紹介してみたいと思います。