待ち望んだSIGMAのミラーレス一眼レフカメラのsd Quattro Hを購入しました。前モデルのSD1 Merrillや姉妹機sd Quattro(無印)を持っていますが、沼は恐ろしいもので、次々と新しいカメラに手を出してしまいます。私はFoveonの画質に惚れ込んでSIGMAユーザーになったため、CP+でイメージセンサーの大きいsd Quattro Hが発表されたときに「絶対に購入する!」と決めていました。この記事では入手して2日間の使用感をお伝えします。なお、私は画質一辺倒の考えなので、カメラの使い勝手はこの記事では扱いませんのでご了承ください。
sd Quattro Hのファーストインプレッションは「ついにQuattroがMerrillを超えた(非SFDでも)」「SFDの画質は至高」という印象を持ちました。
これらはSFD(Super Fine Detail)で撮影した写真です。SFDは、一回のレリーズで7枚の露出の異なる画像を撮影し合成することで、ノイズレスで高ダイナミックレンジな写真が得られる技術です。等倍でみたら全くノイズがなく、ハイライトもシャドーも根強く残っているというウルトラとんでも技術。画質一辺倒な私はもっぱらSFDを使っています。むしろ、SFDを使うためだけにsdQuattroを使っているようなもの。
カメラ比較:SD1 Merrill 対 sdQuattro 対 sdQuattro H
ドラゴンボールで例えるなら、こんな感じでしょうか。- SD1 Merrill : ベジータ (スーパーサイヤ人1)
- sdQuattro : ゴテンクス(スーパーサイヤ人1)
- sdQuattro SFD : ゴテンクス(スーパーサイヤ人3)
- sdQuattro H : 悟空 (スーパーサイヤ人1)
- sdQuattro H SFD : 悟空 (スーパーサイヤ人3)
スーパーサイヤ人のベジータとゴテンクスのどちらが強いかと言われると判断がつかないと思いますが(Merrill派とQuattro派のように)、sdQuattro Hは文句無しの悟空。sdQuattro HでSFDを使えば、最強のスーパーサイヤ人3の悟空というわけ。ごめんなさい、変な喩えでした。ともあれ、等倍でみると隅々まで解像されていてたまげると思います。
dpQuattroやsdQuattro(APS-C)のときは、Merrillと比べて劣るとも優れるとも判断しにくい状況でしたが、sdQuattro H(APS-H)はMerrill(APS-C)に勝っていると断言できます。
まぁ、Merrillの構造でAPS-Hのセンサーが登場したらもっと凄いのでしょう。Quattroのほうが処理コストの効率がいいのでしょうけど、画質一辺倒で非効率でもいいのでMerrillのセンサーを大きくして欲しい…。
さっそくHな写真を撮ってみました。— 池田 泰延 (@clockmaker) 2016年12月20日
等倍で観たときの解像が凄まじい。
(Flickrの等倍表示で御覧ください ※19MB)https://t.co/X8M1rl6b2y
#SIGMA #sdQH #sdQuattroH pic.twitter.com/Be1JTWrxbb
センサー比較:Merrill 対 Quattro
MerrillとQuattroだとどちらのほうが画質がいいのかという話ですが、sdQuattro H(6192 × 4128)で撮影した非SFDの写真をMerrillのサイズ(4704 × 3136 = 約1500万画素)に縮小して画質を比較。Merrillの写真と比べてもほとんど画質の優劣がなく「約1500万画素の状態だと、ようやくQuattroがMerrillに追いついた」と思いました。同サイズにしてもMerrillと遜色ない、だけどQuattro(APC-H)のほうが記録画素数が圧倒的に大きいので隅々まで解像できている、というのが感想です。dpQuattroやsdQuattro(APS-C)のときは、Merrillと比べて劣るとも優れるとも判断しにくい状況でしたが、sdQuattro H(APS-H)はMerrill(APS-C)に勝っていると断言できます。
まぁ、Merrillの構造でAPS-Hのセンサーが登場したらもっと凄いのでしょう。Quattroのほうが処理コストの効率がいいのでしょうけど、画質一辺倒で非効率でもいいのでMerrillのセンサーを大きくして欲しい…。
SFD撮影は大変
しかしながら、SFD撮影は結構大変です。仕組み上、動体があると失敗するので次のような手間がかかっています。- 三脚必須
- 被写体が動かないことが前提
- 1枚500MBの容量!
- 1枚の現像に5〜10分かかる(PCのバッテリーが急激に減る)
- パラメーター調整も超絶重たい
- 最終出力で合成ノイズの有無を検査→失敗してたらボツ
iMac 5Kの全部のせハイスペックマシンでも現像がものすごく重たい。それで、失敗していることもあるので一枚の写真を仕上げるのにかなり時間がかかります。
#sdQuattroH のSFDモードは、一回のレリーズで7枚の露出の異なる画像を撮影し合成することで、ノイズレスで高ダイナミックレンジな写真が得られる技術です。— 池田 泰延 (@clockmaker) 2016年12月21日
ただ、被写体が動いているとダメ。失敗すると出来損ないの残像拳のような仕上がりになります。。 pic.twitter.com/oyIIH2WND1
SIGMA Photo Pro 6.5(SPP 6.5)になってSFDの合成精度がかなり上昇したので、⑥の失敗確率がSPP 6.4と比べて激減しました。それでもよく失敗しますが、SPP 6.5になって安心してSFDを使えるようになったと思いました。
なるべく歩行者をフレームにいれないのがSFDのコツ。あいかわらずsd Quattro Hのホワイトバランスはそれほど使いやすくないので、色が気に入らなかったら容赦なくモノクロームにしています。そんな消極的な理由だとモノクロ写真愛好家から怒られそう…。
まとめ
SIGMA sd Quattro Hは買って良かったと思えるカメラ。これからもSFDで写真をアップし続けようと思います。もしSIGMA sd Quattro Hの使用感に興味のある方は私のTwitterから頻繁につぶやく予定なのでフォローくださいませ。
Flickrにもsd Quattro Hのユーザーグループを作成したので、あわせてチェックするといいでしょう。
FlickrにSIGMA #sdQuattroH のグループを作成しました。https://t.co/LoLxoK2X9X— 池田 泰延 (@clockmaker) 2016年12月20日
既に似たグループがあったものの管理者の意欲がなさそうで…。不安に思うことなくユーザー間で盛り上げたいと思い作成。気軽に参加&投稿ください!#sdQH