2016/12/27

SIGMA sd Quattro Hの画質はどれほどか? iPhoneやNikon Dfと比較してみた

SIGMA sd Quattro Hの画質はどれほど凄いか体験できるように、所有しているカメラで画質を比較してみました。撮影の比較に使ったのは次の5機種です。果たしてどのような結果となったのでしょうか?
  • SIGMA sd Quattro H (レンズ:SIGMA 24-35mm F2 DG HSM Art)
  • Nikon Df (レンズ:SIGMA 35mm F1.4 DG HSM Art)
  • SONY RX100 Mark Ⅱ
  • FUJIFILM X-T10 (キットレンズ)
  • Apple iPhone 7 Plus

記録サイズの比較

まずは記録サイズを比較してみました。一番大きいのはSIGMA sd Quattro Hの2500万画素で、一番小さいのはiPhoneの1200万画素です。



等倍での画質比較

等倍とは写真を100%に表示すること。ピクセルbyピクセルで画質を比較することでセンサーの性能を確認できます。一般的なセンサーは一枚の単板にカラーフィルターを適用して色を再現するベイヤー配列が用いられています。SIGMAのカメラに搭載されているFoveonセンサーは、他のカメラと異なりRGB三層で色を記録するので、構造が異なります。そのため、SIGMAのカメラは等倍で表示したときに画質の良さが如実に現れます。

センサーの構造が異なっていることを知れば、画質比較の結果はすぐに想像がつきます。SIGMSA sd Quattro Hはこの中でも最も大きく、他のカメラと比べて圧倒的にくっきり写っています。iPhone 7 Plusは同じ土俵で競わせるのがかわいそうなぐらい、ジャギーな結果となりました。



1200万画素サイズに縮小して画質比較

iPhone 7 Plusにとってあまりに不公平なので、iPhone 7 Plusと同様の横幅4032ピクセル数に、それぞれの写真を縮小して画質を比較しました。

このサイズでもsd Quattro Hが飛び抜けてくっきりと写っています。続いて、フルサイズのNikon Dfですが、ちょっともやっと写っていますね。APS-CセンサーのFUJIFILM X-T10と1インチセンサーのSONY RX100が互角といったところでしょうか。

iPhone 7 Plusは絵の具で塗ったようなドロッとした質感になっています。




HDサイズでの画質比較

そんな巨大なサイズで写真をみることがないよ!と指摘されそうなので、実用的なHDサイズ(横幅1920ピクセル)に縮小して画質を比較しました。このサイズに縮小すると、SIGMA sd Quattro HやNikon Df、SONY RX100M2、FUJIFILM X-T10の解像力の差はなくなってきます。敢えて指摘すると、SIGMA sd Quattro H以外のカメラはシャープネスによって輪郭が太っているのが気になりますが。

このサイズでもiPhone 7 Plusは厳しいです。シャープネスがどぎつくかかっており、不自然な仕上がりとなっています。




まとめ

カメラは画質だけで評価するべきものではありませんが、画質を中心に選んでいる方の参考になればと比較しました。SIGMA sd Quattro Hがどれだけ解像力を持ち合わせているかお分かりいただけたのではないでしょうか。

SONY α7ⅡとSIGMA sd Quattro Hの画質比較をしたので次回紹介したいと思います。



参照情報

なるべく同一条件になるように、F8のISO100、フルサイズ換算35mmの画角にして三脚に固定して撮影。とはいえ、画角が結構ずれてしまったので、素人の撮影ということでご容赦ください…。
  • SIGMA sdQuattroH : f/8, 1/100sec, ISO 100, 34mm (※)
  • Nikon Df : f/8, 1/60sec, ISO 100, 35mm
  • FUJIFILM X-T10 : f/8, 1/50sec, ISO 200, 33mm (※)
  • SONY RX100 Mark 2 : f/8, 1/40sec, ISO 160, 36mm (※)
  • iPhone 7 Plus : f/1.8, 1/368sec, ISOスピードレート 20, 28mm (※)
※35mmレンズ換算

Nikon DfはNikon D4という2012年のフラッグシップ機に搭載されていたイメージセンサーと同じものです。Nikon Dfは現在は18万円、D4は66万円。sdQuattroHは12万円





2016/12/21

SIGMA sd Quattro Hファーストインプレッション

こんにちは、池田です。Twitterで普段からつぶやいていると、まとめて発信しようという意欲が薄れブログの更新が滞ってしまいますね。

待ち望んだSIGMAのミラーレス一眼レフカメラのsd Quattro Hを購入しました。前モデルのSD1 Merrillや姉妹機sd Quattro(無印)を持っていますが、沼は恐ろしいもので、次々と新しいカメラに手を出してしまいます。私はFoveonの画質に惚れ込んでSIGMAユーザーになったため、CP+でイメージセンサーの大きいsd Quattro Hが発表されたときに「絶対に購入する!」と決めていました。この記事では入手して2日間の使用感をお伝えします。なお、私は画質一辺倒の考えなので、カメラの使い勝手はこの記事では扱いませんのでご了承ください。


ファーストインプレッション

sd Quattro Hのファーストインプレッションは「ついにQuattroがMerrillを超えた(非SFDでも)」「SFDの画質は至高」という印象を持ちました。



これらはSFD(Super Fine Detail)で撮影した写真です。SFDは、一回のレリーズで7枚の露出の異なる画像を撮影し合成することで、ノイズレスで高ダイナミックレンジな写真が得られる技術です。等倍でみたら全くノイズがなく、ハイライトもシャドーも根強く残っているというウルトラとんでも技術。画質一辺倒な私はもっぱらSFDを使っています。むしろ、SFDを使うためだけにsdQuattroを使っているようなもの。


カメラ比較:SD1 Merrill 対 sdQuattro 対 sdQuattro H

ドラゴンボールで例えるなら、こんな感じでしょうか。

  • SD1 Merrill : ベジータ (スーパーサイヤ人1)
  • sdQuattro : ゴテンクス(スーパーサイヤ人1)
  • sdQuattro SFD : ゴテンクス(スーパーサイヤ人3)
  • sdQuattro H : 悟空 (スーパーサイヤ人1)
  • sdQuattro H SFD : 悟空 (スーパーサイヤ人3)
スーパーサイヤ人のベジータとゴテンクスのどちらが強いかと言われると判断がつかないと思いますが(Merrill派とQuattro派のように)、sdQuattro Hは文句無しの悟空。sdQuattro HでSFDを使えば、最強のスーパーサイヤ人3の悟空というわけ。ごめんなさい、変な喩えでした。ともあれ、等倍でみると隅々まで解像されていてたまげると思います。


センサー比較:Merrill 対 Quattro

MerrillとQuattroだとどちらのほうが画質がいいのかという話ですが、sdQuattro H(6192 × 4128)で撮影した非SFDの写真をMerrillのサイズ(4704 × 3136 = 約1500万画素)に縮小して画質を比較。Merrillの写真と比べてもほとんど画質の優劣がなく「約1500万画素の状態だと、ようやくQuattroがMerrillに追いついた」と思いました。同サイズにしてもMerrillと遜色ない、だけどQuattro(APC-H)のほうが記録画素数が圧倒的に大きいので隅々まで解像できている、というのが感想です。

dpQuattroやsdQuattro(APS-C)のときは、Merrillと比べて劣るとも優れるとも判断しにくい状況でしたが、sdQuattro H(APS-H)はMerrill(APS-C)に勝っていると断言できます。

まぁ、Merrillの構造でAPS-Hのセンサーが登場したらもっと凄いのでしょう。Quattroのほうが処理コストの効率がいいのでしょうけど、画質一辺倒で非効率でもいいのでMerrillのセンサーを大きくして欲しい…。


SFD撮影は大変

しかしながら、SFD撮影は結構大変です。仕組み上、動体があると失敗するので次のような手間がかかっています。

  1. 三脚必須
  2. 被写体が動かないことが前提
  3. 1枚500MBの容量!
  4. 1枚の現像に5〜10分かかる(PCのバッテリーが急激に減る)
  5. パラメーター調整も超絶重たい
  6. 最終出力で合成ノイズの有無を検査→失敗してたらボツ

iMac 5Kの全部のせハイスペックマシンでも現像がものすごく重たい。それで、失敗していることもあるので一枚の写真を仕上げるのにかなり時間がかかります。


SIGMA Photo Pro 6.5(SPP 6.5)になってSFDの合成精度がかなり上昇したので、⑥の失敗確率がSPP 6.4と比べて激減しました。それでもよく失敗しますが、SPP 6.5になって安心してSFDを使えるようになったと思いました。


なるべく歩行者をフレームにいれないのがSFDのコツ。あいかわらずsd Quattro Hのホワイトバランスはそれほど使いやすくないので、色が気に入らなかったら容赦なくモノクロームにしています。そんな消極的な理由だとモノクロ写真愛好家から怒られそう…。

まとめ


SIGMA sd Quattro Hは買って良かったと思えるカメラ。これからもSFDで写真をアップし続けようと思います。もしSIGMA sd Quattro Hの使用感に興味のある方は私のTwitterから頻繁につぶやく予定なのでフォローくださいませ。

Flickrにもsd Quattro Hのユーザーグループを作成したので、あわせてチェックするといいでしょう。